CULTURE 

文明開化の街、裏新橋

日本初の鉄道が新橋~横浜間で開通したのは、明治5年(1872年)のこと。当初の駅は現在の汐留付近にあり、現在の新橋4~6丁目にあたる”裏新橋”はそこから最も近い町家のエリアでした。

そして鉄道と共にやってきた西洋文化のひとつにコーヒー(珈琲)がありましたが、当初は高級な西洋料理店で食後に供される程度でありなかなか一般には普及しませんでした。しかしながら新橋界隈では明治期において、

 ・パン工場:2階で顧客にコーヒーを提供
 ・酪農牧場:料理店向けに牛乳を生産
 ・家具工房:官公庁他向けに西洋家具を生産


という文明開化そのものともいえる革命的な出来事があり、これらがいち早く現在の喫茶店・カフェ文化の基礎となるスタイルを形成したと考えられます。

写真:小林清親 「新橋ステンション」 (1881)※パブリックドメイン画像